行列の出来る"マズい焼肉屋"の話

2008年9月15日 23:26

こんばんは、濱田です。

昨日、知人に連れられ奈良にある
行列のできる焼肉屋に行きました。

この焼肉屋、「安くて旨い」と
評判だそうで、いつ行っても満席で
しゅっちゅう行列が出来ているそうなのです。

そこで、その店を案内してもらったのですが
なるほど、店を覗くとすでに満席。

「おお!噂どおりだ」

そう思って20分ほど並んでから
店内に入り、上塩タン、上カルビ、
ホルモン盛り合わせなどオーダーし、
肉を待っていたのですが...


驚きました。


この焼肉屋さん、全然美味くないのです。
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というのも、最初に出てきた上タン塩が
なんと「タレ漬け」なのです。

タレ漬けの肉というのは
肉の鮮度が高くないという証拠です。

スーパーでも、よく外国産の
タレ漬けの肉が売っていますが
あれって安いですよね?


うーーん。

あんまり旨くないなあ。


そう思って食べていると
続いて出てきた肉も全てタレ漬け。


お肉以外で、焼き野菜だけは、
結構美味しかったのですが、
肉自体の味は決して

「美味しい!」

と呼べるものではありませんでした。


「なぜ、この味でこんなに繁盛しているんだ??」


確かに、肉の単価はそれほど
高くはありません。

(かといって安くもありませんでした)

でも、肝心の肉が上手くない。


それなのに、なぜ、いつも満席に
なるほど繁盛しているのか?

不思議に思って、私は、その店を
案内してくれた人に


・なぜ、この店が美味しいと思うのか?

・なぜ、この店に来るようになったのか?


この2点を聞いてみました。


すると、返ってきた答えは


奈良には、焼肉屋がそれほど多くなく、
叙々苑のような高級な焼肉屋もないし、

値段の安さを売りにしている
焼肉チェーン店も少ないそうです。

また、その人いわく焼肉屋というのは
ちょっと小汚い感じがする方が
老舗な感じがするので、雰囲気だけで
美味しいと感じるということでした。

さらに、

その人がこの店に来たきっかけは、
お姉さんが近くでお店をしていて、
そのお姉さんに連れて来てもらった

ということでした。

確かに、私たち以外のお客は全員、
かなりな常連客のようで、店員も
お客を名前で呼んでました。


うーーん。なるほど。


つまり、この焼肉屋が行列が
出来るほど繁盛している理由は、

強力なライバルが不在であること、

古くて汚い=老舗で美味いという
イメージがあること

そして、極めて地域密着な
紹介システムを持っていること、

この3点だったのです。


この焼肉屋さんは、かなり
ラッキーな環境でビジネスを
している訳ですが、

ここから私達が学べる点は、

お客は、絶対的価値観ではなく
相対的な価値観で、価値を
判断するということ。

つまり、この店が繁盛しているのは
比較対照する店がないからであり、

だからこそ、古くて汚い=老舗で美味い
というポジショニングが成立する訳です。

そして、もちろんのこと、

これが成立するからこそ
地域密着な紹介システムも成立する。


つまり、強烈なライバルがいない
エリアやジャンルでビジネスすれば
スグにでも圧倒的ナンバーワンや
繁盛店を作ることができるのです。


ああ、マーケティングって何て奥深いんだ。

タレ漬けの焼肉を頬張りながら
またひとつマーケティングの
面白さを知った次第です。

       マーケティングコンサルタント
               濱田 昇


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